宮本常一―「忘れられた日本人」を訪ねて (別冊太陽 日本のこころ 148)
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2007/07/10
- メディア: 大型本
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だって日本を調査した足跡をたどる年表がすんげー細かい字で書いてあるんだよ。ちゃんと私の地元にも足跡がついているのはなんだか嬉しい。(厳密に地元ではないけれど、その近くに行っているということで、何かしらの話が地元周辺に残ってないかなぁと期待。今度実家に帰ったら調べてみようと思う。)研究室の図書室に著作集が入ってて、その当時のことがまとめられたものがあったから今度読んでみようと思う。
あとは宮本常一の撮った写真なんかが載ってたりするんだけど、一番ショックを受けた写真は…84ページの写真かなぁ。洗濯機で洗濯してるという写真。時代は昭和30年代前半。こう書くと何か「三丁目の夕日」的においがしてしまうのだが、しかしこの写真はもうちょっと違う。洗濯機を使っているのは川原なのだ。つまり水道が引かれていなくて、洗濯用の水を確保するには川原に洗濯機を持って行くしかない…これはほんとに道具で便利になったのかとなんだかすごく複雑な気持ちになった。あえていうならば、「三丁目の夕日」が切り落としていった昭和30年代みたいなのがそこにあるような気がする。ほんでもって、その切り落としていったものっていうのは、都市と地方との関係をあらわしているような気がする。
うまく言えないんだけど。
私ももっとフィールドで写真を撮っておこうと思った。もっと話を、紋切り型の質問項目に依拠したものではなくて、「今日は昔の話ができて良かった」と相手から言ってもらえるような調査をしようと―まぁ半分は理想なんだけどさ―思った。