GXR + RICOH LENS P10 28-300mm F3.5-5.6 VC
猫は液体なんじゃないか、なんてことを時々思う。そのくらい彼らのからだは柔らかい上によく伸びる。だらんとしているくせに、しなやかに飛ぶ。コンパクトに収まるのに、その何倍も大きくびよーんと伸びをする。筋肉なんかなくて、弾力性のある液体が詰まってるんじゃないか、そんなふうに思えてしまう。
そういや、こないだ60万の猫様(もうここまで来たら敬称を付けなければ失礼であろう)を抱くことがーいや、抱かせていただいたことがあった。値段が中古車1台分の値段で、ライカが買えてしまう値段でもあり、私の月収のn倍である(お察しください)。ドキドキしながら膝にのっけたが、相手はそういうのに慣れてるのか、どうどうと鎮座なされた。さすがは猫様、貫禄がある。じんわりと体温が伝わってきた。温かい生き物だった。
家猫(部屋猫)だからもう野生はないんですよーうふふー、なんてことをショップのお姉さんが話しかけてきたが、猫様とお話をさせていただいているときに無粋である。この猫様もやはり液体のようにだらりとしてからゆっくりと起き上がってきた。液体が固体になる瞬間を見たような思いだ。
写真の子は固体と液体の境界線をいっているように見えた。私が近づいても固体に戻ることもなく、かといって完全な液体のように伸びていくわけでもなく。これからそんな猫たちがあちこちに出てくるのではないか。今度の休み、探しに行ってみようと思う。