ようやく『ジプシー』を読み終えたので、今『ヌアー族』を読んでいる。といっても読み始めのところで少々力尽きかけているというのが実状といったほうがいいかもしれない。
ヌアー族―ナイル系一民族の生業形態と政治制度の調査記録 (平凡社ライブラリー (219))
- 作者: E.E.エヴァンズ=プリチャード,向井元子
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 1997/10
- メディア: 新書
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調査対象者に対する怒りや戸惑いがちらほらと見えてくる記述がいくつか見られた。たとえば名前を聞くのだけでも一苦労だったことを強調するために、筆者が行ったインタビューが載せてあるのだが、なるほどこれは確かに苦労するだろうなぁと思ってしまう。「君は誰?」という名前を聞こうとする意図の下に発せられた筆者の質問に対して、たずねてきたヌアー族の人間は「人間だ」と答える。そんな問答が続き、最後は私(筆者)―「もういいよ」とうんざりしているかのようにも取れる言葉で終わっている。マリノフスキーのように筆者の日記はないだろうか、あるとしたらそこにはどのような記述がなされているのか…とそっちの方が興味深く感じてしまう。
第一章でわかったのは、ヌアーの人々が「牛」を中心とした生活を行っているということ。時にはこの「牛」をめぐって争いが起こり、死傷者が出る…というくらい「牛」が重要な位置を占めているようだ。「牛と同時に人間も滅びる」という言葉が文章中にあったのがとても印象的だった。
しかしここまで読むのに結構疲れてしまった。ただ単に「牛」とヌアーの人々との関係を述べているだけなのに。文字が小さいのが原因なのか。残りは400ページほど。先は長いようだ。