最近、子供の頃に読んだ絵本を再読する、なんてことがマイブームのひとつになっていて、そこから横道にそれて、たむらしげるの絵本を読むことにハマりつつある。
なかでも『ロボットのくにSOS』が一番印象に残っている。
内容はこんな感じ。
ある日、フープ博士のところに、ロボットのくにから旧式のゼンマイロボットが助けを求めてやってくる。ロボットのくには地下深くにある、水晶でできた美しい国なのだが、数日前の地震で発電機が壊れてしまい、みんな止まってしまったというのだ。だからゼンマイで動けるゼンマイロボットが助けを求めにやってきたわけだ。
フープ博士とルネくん、ネコのネプチューンとゼンマイロボットの一行は、いろいろな大冒険をしてようやくロボットのくににたどり着く。発電所の修理をするとどうしても直せない部品が…その時ロボットは?
まあほとんどネタばれに近いけど。
クライマックスのシーンがやたらと印象に残っていて、タイトルは思い出せなくても(実はタイトルは最近思い出しだ)、場面は思い出せる、そんな絵本だった。
ロボットのくにの、澄んだ青色がね、すごくいい。
『クジラの跳躍』も不思議な雰囲気で、日常と日常の間にあるかもしれない場面を描いたものだ。
ほんの2,3秒というわずかな時間。クジラが飛ぶ一瞬に、実は別の時間で生きる人たちがいて、クジラが海の中からあわられて、飛んで全身が出てくるまでを6時間かけて眺める、なんてことをしているかもしれない。時間はひとつしか流れているものではなく、複数の流れ方をしているのかもしれない。とても幻想的なお話だった。
海のしずくひとつひとつが、ガラス玉でできている。
みたいな文章が初っ端から出てくる。そういうこと思いついたことすらない…。
これはDVDにもなっているらしいのでぜひとも購入したいのだが、アマゾンでも在庫なしになっていることもあるからある意味幻の作品かもしれない。
『ドス・アギラス号の冒険』は椎名誠と組んだもので、椎名の独特の世界観にたむらの絵がうまく溶け合って素敵な本になっている。
内容は「飛び玉」という空を飛ぶ卵を探しに歴史学者と船長、そして4人の武装甲板員の冒険話。わずか6人だけど、それでも物語がぐんぐん進んでいくのはすごい。割と高学年向きだけど、冒険物が好きだったかつての少年少女にもオススメできると思う。 ミルトソンの驚きっぷりがすごく好き。冒険してる感があるから。
とまあ最近読んだものだとこんな具合。絵はもちろんだけど、あの色がすごいなあと読みながら思う。青色が特にきれい。寝る前にぼんやり読むのが贅沢な時間の過ごし方かも。
そういえばまだロボットのランスロットが出てくる話は読んでいない。ハチミツケーキとか作ったりしているらしいけど、どんなロボットなんだろうか。読むのが楽しみだ。