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写真撮って、日記書いてます。

もう校正なんてしないなんて言わないよ絶対

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仕事の話。引き継ぎでうけた仕事がぼちぼち本格的軌道に乗りつつあって、ややこしい問題にも対応しなければならなくなっています。

今一番ややこしい問題なのが「校正」。展覧会とかそういうのに使うものに書かれた文章やら単語やらに間違いがないか確認していく作業なんですが、これが非常にめんどくさい。めんどくさいならまだしも、ほんとにやりたくない作業です。

でもやらないとね、何が何だかわからない文章がそのままパネルになっちゃったりするからね…一度それで「やっちまったなあ!」てことが起きたので。

なぜやりたくないのか?

簡単に言えば、一度その文章を読まなければならないから。こういうのは「読むんじゃない」てよく言われるんだけど、やはりちゃんと読んで文意が伝わるか、文法的に誤りはないかとか、そういうのは確認しなければならないわけです。

で、その文章量が半端なくて、毎回うんざりしているというわけ。

考えてみてください。パネル1枚あたりの文字数が400字あるとして、これが20枚とか30枚あった場合、都合8000字~12000字読まなければならない。これって簡単なレポートとか論文に当たるわけです。

それをはじめから通しで集中して読んでいくとなると、最後の方はもう集中力のかけらすら残ってなくて、「ああもういいや、もうこれで」ってなってしまいがちです。そういう時に限って落とし穴があったりするのがほんとに厄介です。

何より、読みやすい文章だったらまだいいのですが、「てにをは」がおかしいというレベルから中には頓珍漢なことを書いているもの、日本語としての基本的な文法がおかしいものまであって、そのたびに頭を抱えてしまうわけです。時々「この表現は果たして本当に適切なんだろうか」と頭を抱えてしまいたくなるものもあって、「なんでそこまでやらなきゃならんのだ…自分で見直してから送ってよ…」と愚痴のひとつやふたつも漏らしたくなるんです…。中には専門用語ゴリゴリで書いてくるのもあって、「果たしてこの用語の用法は適切なのか」という問題も頭をもたげてくることも。頑張って辞典やネット上の情報をたどったりしてどうにか判断するんです…専門の人に突っ込まれたら危うい、そんな綱渡りをすることもあります。

文字数多すぎ問題

これ、知り合いの学芸員とかともよく話すんですけど、「パネルとかキャプションの文字数って実際何文字が適切?」てのがほんとにわかりません。先ほど述べたように400字クラスになると、お客さんの中で読んでくれる人は少ないです。熱心な方くらい。展覧会の会場でトータル8000~12000字の文章を読みながら作品も鑑賞して、てのをやると2時間で終わらないでしょうし、途中休憩所みたいなもの必要になってきます。展覧会行って疲れた人の疲労原因はだいたいそれです。たぶんだけど。

だいたいツイッターの140字が最大なんじゃないかな。最近ではそれでも多すぎるっていう話もあって、100字以内に収めろとか、可能なら一文にまとめろ、というのも聞きます。ところが今度は逆に、短かったら伝えたいことの半分も書けない、まとめるのが非常に難しい、とかそういうことが起きるわけです。ここをうまくまとめるのが学芸員の腕なんでしょうけど、なかなかうまくできません。この辺の技術力をどうにか上げていきたいものです。

あとどのくらいかかるのか

さて、会期も迫ってきて徐々にバタバタし始めています。設営に関するスケジュールの打ち合わせとか、展示図面の最終確認とか、リストの作成と添削とか、そういうものもぼちぼち大詰めです。リストやキャプションなんかも校正が必要らしく、あと数回は小さい文字とにらめっこしなければなりません。首と肩と目が痛いです。正直しんどい作業の連続ですが、それもまた仕事なので。もうちょっとの辛抱と思って取り組もうと思います。

久しぶりに仕事の話を書いてみました。