iPhone5s(過去データより)
602日目。仕事の日。
休み時間を使って未現像フィルムを現像に出した。
おそらく写真の時期に撮ったものだろう。データ上の日付は5年前を示していた。
現像だけ、プリントなし。デジタル化は自分でやろうと思っているのだが、フィルムスキャナが身近に無いので「どうしようこれ」という気持ちである。
今回現像に出したのは7本の35mmフィルム。部屋の掃除やらなにやらをしていたら出てきたものばかりだ。以前使っていたNikon NewFM2とOLYMPUS PENで撮影したもの。
だと思う。
そう、思う、なのだ。
フィルムは現像というプロセスを経ないと画像として見ることができない。つまり撮影から実際にその画像を見るまでにタイムラグがある。タイムラグは人それぞれで、撮り終えたらすぐに現像に出す人もいれば、わたしのように「とりあえずまた今度にしようかな、今金ないし」というまま早数年経ってしまい「…これ何撮ったっけな?」という、ど忘れ状態で現像に向かう人もいるだろう。何が入っているか分からないびっくり箱のようなものだ。
感傷的にいえば、「あの頃のことを思い出させてくれるタイムマシン」だろうが、実際は「思い出したくもない何かが眼前に突然迫ってくるナイフ」だ。びっくり箱というよりもブラックボックスに近くて、現像が上がってきても直視できないかもしれない。
しかし現像しなければ何を撮ったかが分からないわけで…デジカメ以前はこの感情がデフォルトだったのだろう。最近はそれが追体験できる写真アプリもあるけど、やっぱりどこか違うんだよ。うまく言い表せないけど、現物が目の前にあってそれを現像に持って行って手元に返ってくるまでの緊張感はアプリではあまり感じない。不思議だが、現物が目の前にある/ない、というよく議論される問題と関係しているやつ。
久しぶりに行く、町の小さな写真店で現像をお願いした。老齢のご夫婦が営んでいるお店だが、デジタルプリント機器も備えてあるところである。「久しぶり」というと2か月とかそのくらいどころではない。約1年ぶり、しかもそのときは仕事で立ち寄ったから本当に久しぶりだ。向こうも元気そうで良かった。しかし実はここで現像を頼むのは初めてだ。それまでは他の用件で立ち寄っていたくらいである。どんな感じで現像されるだろうか。
カラーとモノクロであわせて7本。うち、1本が「リバーサルやね」。そうだった、リバーサルが入ってたんだ。何を撮ったのか全然記憶にないけど、使った記憶はある。確か。たぶん。ここも自家現像できるのはカラーだけらしく、カラーであれば即日渡せるけどモノクロは一週間かかると言われたので「全部終わってから受け取りに行きますね」と伝えた。そうだよね、この時代モノクロは外注というかそういうことなんだよね。某キタムラと一緒の日数なのでそうなんじゃないかな、という想像。さすがに店舗内ではもう現像やってないか。そういうものなんだな。白黒であれば自分でもやってみたいが、今手元にあるフィルムカメラはオリンパスペンだけだ。あれはあれで綺麗に撮れるから重宝しているが、この数年フィルムを通していない。行った写真店で買えばよかった。
1週間後、どんな感じのネガとポジが出来上がってくるんだろう。そしてどうやってデータ化しようか。冒頭の問いに戻る。うーん。このあたりよく考えてなかった。なにか方法がないか。