帰省していたとき、大半を父方の祖父(故人)の家で過ごしていた。そのときに、この冊子を見つけた。いわゆる「郷土史」っていうやつ。なんでも死んだじーさんたちが中心になって作っていたという代物で、今からだいたい40年くらい前のモノだ。だからガリ版刷り。「はじめに」でじーさんが書いている年号が本当だとすれば昭和47年に作られたモノらしい。
こいつが出てきて本当に驚いた。じーさんがやってきたことは、今の自分が専攻にしてきたことと全く同じことなのである(要するに民俗の項目とかそういう類ね)。何だろう、自分のルーツのようなものを見つけてしまったような、不思議な感覚だった。
実はこういうモノをじーさんが作っていたとは全く知らなかった。というか自分が知っているじーさんは、シベリア抑留から帰ってきた人物で、俺等孫にちょっと思い出したように昔の習俗のことを語ったかと思えば、ある日突然芋を潰して曝しデンプンを作り出したりするような不思議な人であった。絵なんかも良く描いていたようだ。でもそれはじーさんがじーさんになった時のことで、若かりし頃に何をしていたのかなんてのは以外と、いや、全く知らないのだった。親が若かったころの話なんてのも知らない。どちらも知らない方がいいってのもあるかもしれないが。
何だろうね、運命というかすごく不思議な感じが今でもしている。この冊子は大事な資料として本棚に入れておく(時々使うかも)ことにする。