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写真撮って、日記書いてます。

「素朴絵」展で癒されてきた

もうすぐ会期終了です

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龍谷大学龍谷ミュージアムで開催中の「日本の素朴絵」展を見てきました。

museum.ryukoku.ac.jp

閉館1時間前に入って閉館と同時に見終わりましたが、ちょうどいいボリュームでした。駆け足で、というわけではなく、普通に見て回って1時間弱くらい。展示点数が思ったよりも多くなく、そのことが逆に心地よい展示空間になっていて見やすかったです。

入館者の数も時間帯の関係もあってかそこまで多くなく、順番を抜いたりとか、見えないからとグーッと寄ったりだとか、そういった押し合いへし合いして見るようなことはありませんでした。 f:id:swordfish-002:20191105173652j:plain

写真禁止にしているのも、ゆったり見られる環境の要因となっていたかもしれません。

展示は5章構成

作品の展示は5章に章立てて展示されています。

第1章:絵巻と絵本

第2章:庶民の素朴絵

第3章:素朴な異界

第4章:知識人の素朴絵

第5章:立体に見る素朴

この構成になっているのですが、この流れに沿わなくても大丈夫。むしろ空いてるところから見てもいいし、好きな作品があるところに行ってもいい。内容を理解するためにまた最初から見てもいい。そのくらいのゆるさがありました。ガチガチの展示じゃない展覧会って見る方もストレスなくていいなと毎回思います。

じっくり見たくなる展示

展示をじっくり見せようとするアイデアとして、展示室内クイズツアーが開催されていました。会場内に設けられた6つの質問に答えて応募すると、抽選でグッズがもらえるというもの。子供向けかと思いきや大人でも楽しめるクイズで、中には単純に知識を問うものもあって難易度は高めでした。

展示されている作品の解説に答えが載っているものもあれば、まったくない作品もあって「さあどうしよう、会場内のどこかに答えがあるのかもしれない」と、展示を最後までしっかり見ようとする人がたくさんいました。

それを反映してか、作品どうしの間隔も広めで、1点1点をじっくり観察することができました。キャプションの文字も大きく、見やすく作られていました。

どの作品が好きか

どれもこれもゆるさ爆発で見ていて面白かったのですが、京都国立博物館の「トラりん」の「原画」である尾形光琳の<<竹虎図>>を見ることができて、実物の意外な小ささに驚きました。目つきの悪いトラ1頭が竹林の中に座っているという有名なものですが、今でいう画用紙(4つ切りくらい)のサイズでした。もうちょっと大きかったかも。ともかく、もっと大きな紙に描かれていたとばかり思っていたので、そのサイズのギャップにびっくりしたわけです。

あとはチューチュートレインしているように見える托鉢のお坊さんたちの図<<雲水托鉢図>>(南天棒)。托鉢に行くときと帰るときの姿を愛くるしい顔のキャラクターで表現しています。どことなくミニオンに見えてくる不思議。この缶バッジがあれば買ったんだけどなあ。なかったので購入断念しました。チケットホルダーやクリヤーファイルにはなってたけど、普段の使いどころがないのでパス。

あとはそうだな、埴輪とかもゆるかったし、変な妖怪もいたし、どう見ても強くないだろ、的な龍とか(どしんどしん、ではなく、ぺたぺた、という足音SEが適切)、絶対邪悪なものにひれ伏すだろ的ちょっと情けない顔した狛犬とか、そういうのばかりでした。

見ているうちに自然と笑顔になってしまうもの多数。作者たち当人はすごくまじめに作ったんだろうけど、見れば見るほど「うふふ」ってなっちゃう。爆笑ではなく「うふふ」な笑い、そういう見る側も素朴な笑いの感情をつついてくる作品だらけでした。久しぶりに見ていて面白く、かつ癒される展示でした。

龍谷ミュージアムでの開催は11月17日(日)までです。関西方面の方はお早めに。

ゆるカワ日本美術史<ヴィジュアル版> (祥伝社新書)

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