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30日目。いよいよ大台に突入(と個人的に思っている)。在宅の日である。青い世界がなんとなくたむらしげる作品に近いなと思う。
最近またたむらしげるの作品を読み返しているのだが、どれも幻想的な話でステキである。わたしたちの1日は誰かにとっての1秒かもしれないし、反対にわたしたちの1秒は誰かにとっての1日かもしれない、というちょっと不思議な話なのがこの『クジラの跳躍』という絵本だ。
船の上から波の合間を見ているとそこには別の時間を生きる人達がいて…という物語。
「クジラが飛ぶまであと12時間」あるから一晩その波の合間でキャンプをする、絵を描く、見物人がやってくるという不思議な話なのだが、もしかするとわたしたちの現実もそうなのかもしれない。そういう話を2年前にも書いていたから人間怖ろしいなと思う。でもまあ、好きなことは何度だって書きたくなるのだ。
といういいわけ。
こうしたちょっと不思議な話が多くて大好きなのだが、『ダーナ』という絵本は傑作だと思う。
ある老人が主人公で、その老人の一日を追った形で話が進む。魚を釣り、レストランでムニエルにしてもらいそれを食べ、橋を掛ける「工事」をするーというのが主な流れなのだが、そこはちょっとSFが入っている。
何せ全体的に漂う切なさと美しさがたまらないのだ。なぜこの絵本のタイトルが『ダーナ』と名付けられたかは最後の最後で分かるのだが、その仕掛けが素晴らしく、ステキだ。全体的に透き通った青が用いられているのもいい。読んで欲しい一冊だ。
以前書いたが、わたしが一番好きなのは『ロボットのくにSOS』という話で、おそらくこれがわたしのはじめてのたむらしげる作品だと思う。今でも定期的に読み直したくなる一冊。
あのロボットはその後の作品にもちょこちょこ出てくるのだが、フィギュア欲しいなあ、できればブリキ製だったらいいのになあって読みながらいつも思う。そのくらい味があるロボットの造形だ。『オズの魔法使い』に出てくる、ブリキのロボットのようなかたち。
真似して書いてみたけど全然ダメだな、こりゃ。
在宅勤務が連続していて、一応今日がその切れ目な日に当たる。明日は出勤で、あさってからまた在宅。本を読む時間が増えるかなと期待してあれこれ引っ張り出してきたけど、読めたのはこれくらいである。それでも幻想な世界に浸って、気持ち的な部分をリセットできたような気がする。できればもう少し読んでいたい…ぼーっと見ながらお酒を飲む、てことやりたいんだけどなあ。
どこかで配信してくれないかな。